日本経済AI成長戦略
楽天ブックスで見るAI時代を生き残るために必要な力を、すっきりと整理できる一冊だと思う。
どんな本?
AIを単なる業務効率化の道具として入れるのではなく、付加価値を生み続けるために、組織の意思決定の仕組みそのものを作り直す。本書はそれを「AX」と呼び、日本経済がAI時代にどう成長していけるかを描いている。日本のDXがなぜうまくいかなかったのかという振り返りから始まり、AI時代に求められる人材の力、伸びていく領域と縮んでいく領域の見極め方へと話が進んでいく。
この本で得られるもの
- 日本のDXは、本来は組織の構造まで問い直す「変革」であるべきだったのに、ツール導入などの「改善」にとどまってしまった、という整理。改善は一時的、変革は継続的という違いがわかりやすい
- AI時代に活きる「ボス力」(問いを立て、AIや人を動かしながら物事を設計する力)と「現場力」(設計された計画を現場で臨機応変に動かす力)という2つの軸。本書ではこれを「知的スマイルカーブ」として示している
- 意思決定のスピードと、AIに置き換えられない領域を見極める力が鍵になるという視点。そのために、現場に眠る暗黙知を早めにデータ化しておく大切さ
こんな人におすすめ
- AIを導入したものの、業務効率化の先に何を目指せばいいか考えたい人
- AI時代に自分がどんな力を伸ばしていけばいいのか、頭を整理したい人
- 組織の意思決定の速さや仕組みに関心がある人
読んでみて
一番残ったのは、AI時代は「スピード×質」の勝負になるという話だった。スピードを支えるのは組織の構造と判断力、質を支えるのは本質的な問いを立てる力。この力が、個人にも組織にも求められる時代なのだと思う。しがらみの少ない中小企業にとっては、一気に飛び越えるチャンスでもあるという見方も印象的だった。これからは営業の場でも、目の前のことだけでなく、より広い目線から提案ができるようになりたい。