センスの哲学
楽天ブックスで見るセンスは生まれつきのものではなく、後から獲得できるものだと気づかせてくれる本だ。
どんな本?
センスとは「直感的にわかること」であり、直感は習慣的な行いから磨くことができる。だからセンスは先天的なものではない、というのがこの本の出発点だ。センスを磨くには、作品の「意味」よりも「リズム」、つまり色の濃淡や線の強弱といった表現の凸凹に目を向けることが大切だという。そこから、予測誤差の大小が生む「美」と「崇高」、作者の「どうしようもない反復」へと話が広がっていく。
この本で得られるもの
- センスが「ない」のではなく「センスに無自覚」なだけ、という言い換え。センスは誰にでも開かれているのだと思える
- 作品を見つめてリズムを知覚する、その積み重ねがセンスを磨く流れになるということ
- 慣れてくると自分がコントロールできる範囲で作りがちになるが、あえて考えすぎない余白を残すことが偶発性を呼び込むかもしれない、という作り手としての視点
こんな人におすすめ
- 自分にはセンスがないと思い込んでいる人
- 絵や音楽、映画などの作品を、もっと自分なりに楽しめるようになりたい人
読んでみて
意味をピンポイントで理解するのは難しくても、リズムなら人それぞれの解釈で楽しめる。この考え方に触れて、作品との向き合い方が少し軽やかになった気がする。生成変化をとらえることが、生成AIが学習データから特徴量を抽出する仕組みに似ているという話も面白かった。これからは、他人の趣味にもこの本の切り口で向き合ってみたいと思う。