増補改訂版 スマホ時代の哲学 「常時接続の世界」で失われた孤独をめぐる冒険
楽天ブックスで見るスマホとつながりっぱなしの時代に、豊かな心を保つためのヒントが見つかる本だと思う。
どんな本?
変化が激しく、常に成長を求められる現代。私たちはそのストレスから、手軽な刺激や「自分は正しい」という思い込み、世の中の流れに身を任せることで逃れようとしがちだ。本書はオルテガやフィッシャー、アーレントといった哲学者の言葉を借りながら、そうした状態から抜け出すヒントを示していく。鍵になるのは、自分の中に「複数の他者」を住まわせること、そして常時接続の時代に失われつつある「孤独」を取り戻すことである。
この本で得られるもの
- すぐに答えの出ない「モヤモヤ」を抱えることこそ大切で、不確かなことを許容する力(ネガティブ・ケイパビリティ)が思考を支えるという考え方
- アーレントの「孤立(ひとつのことに集中する)」「孤独(自分と向き合う)」「寂しさ(誰ともつながれていない)」の区別。孤独はネガティブなものではなく、自分の価値観を育てる時間だという見方
- 趣味、とくにモノづくりに没頭することが、過去の自分と今の自分の差分に向き合う「自己対話」のきっかけになるということ
こんな人におすすめ
- 気づけばスマホを手に取っていて、自分と向き合う時間が減っていると感じる人
- 日記やジャーナリングを続けていて、その意味をもう少し深く考えてみたい人
読んでみて
一番残ったのは、孤独は自分の中に他者を住まわせるための大切な時間だという考え方だった。ジャーナリングや日記が良いとされてきたのも、まさに孤独を促すからなのではないかと感じた。モヤモヤを楽しみながら、不確かなことと今との差分に向き合い続ける。その繰り返しが、自分にさまざまな視点をもたらし、豊かな心を保つきっかけになるのだと思う。これからは、孤独の時間を意図的につくっていきたい。