具体と抽象
楽天ブックスで見る具体と抽象を行き来する「往復思考」のノウハウを知ることができる一冊だ。
どんな本?
「話が合わない」「伝わらない」という悩みは、相手と具体・抽象の度合いが合っていないことから生まれる。本書はそう指摘したうえで、具体と抽象の関係を解きほぐしていく。具体と抽象は二つに分かれるものではなく、ピラミッド状のグラデーションになっている。そのなかで具体と抽象を行き来すべし、というのがこの本のメッセージだと思う。
この本で得られるもの
- 具体と抽象は「多対1」の関係にある。「鮪」より「魚」のほうが情報の面積は広く、抽象化の最大のメリットは一を聞いて十を知れること。ただし、どちらが良いというわけではない
- 一度植え付けられた抽象概念に、無理やり具体を結びつけてしまう「抽象化バイアス」への注意
- 秀逸なたとえ話の条件。誰にでもわかりやすいこと、そして二つの具体の領域が重ならず、かつ同じ抽象に戻ってくること
こんな人におすすめ
- 会話のなかで「話が噛み合わない」と感じることが多い人
- 人に説明したり、たとえ話をしたりする機会が多い人
読んでみて
この本の考え方は、「納得できない」「理解できない」と感じたときに特に役立つと思った。立ち止まって事象を抽象化してみると、どこかで自分の腑に落ちる抽象に行き着くかもしれない。また、日常では抽象度をグラデーションで考えるほうがよい一方で、新規事業の立ち上げに伴う分析では、できるだけ最上位まで抽象度を上げていく作業が合っているように感じた。これからは、会話のなかで具体と抽象を意識していきたい。